
仕事選びでやりがちな失敗を勉強して「失敗しない仕事選び」につなげましょう!
まず結論ですが、仕事選びの時によくある失敗6選は下記です。気になる項目あればリンクから各章へジャンプできるのでぜひ読んでいってください!
皆さん転職活動などで「仕事選び」する時、どうやって候補を絞っていいのか分からず悩んだ経験ありませんか?
私も今まさに転職活動中で、転職エージェントの方からお勧めされる無数の求人の中から、自分に合った「適職」を見つける作業の難しさを肌で感じております。
まず、私の“間違った”候補の絞り方を紹介します。以下の画像は私の転職先の候補をエクセルシートして比較したものです。

現職と同じ業界中心ですが、有難いことにたくさんの求人(転職先候補)を紹介いただくことができました。
年収で比較してみたり、業種別で考えてみたり、口コミサイトの評価点で比較してみたり、色々な「要素」を比較検討しましたが絞り込めませんでした・・・
絞り込めなかった大きな理由として「転職先の選択肢が多い上に比較する要素も多くて、何を重要視して決めたらいいのか分からなくなった」ことがありました。

選択肢が少なすぎるのも可能性が広がらず良くないですが、選択肢が多すぎるのも迷いが出てきて良くないですね。(難しい!)
そんな時にたまたま出会ったのが下記の本です。この本のお陰で私の「転職先の候補がらべない」悩みを解決することができました!
今回の記事では紹介しきれてない有益情報がたくさん詰まっているので、ぜひこの機会にお買い求めください!
科学的な適職(著:鈴木祐)
本書で学べることは以下の2点です。
①仕事選びでやりがちな「失敗6選」
⇒これから転職活動始める方は必見
②仕事選びで考えるべき「評価軸7選」
⇒現在転職活動中の方は必見
本記事では①仕事選びでやりがちな「失敗6選」に内容を絞ってお届けします。②が気になる方はぜひ本を買ってみてほしいです。(買って損はしません。)
間違った仕事選び・転職先候補の絞り方をしない為にも、ハマってはいけない失敗(落とし穴)を勉強することは大事です。
著者の鈴木祐さんはメンタリストDaiGoの動画のリサーチに協力する傍ら、年に5,000本の科学論文を読破する猛者なので、本書の根拠となるソースの信頼性は非常に高いです。
本書に描かれる「失敗6選」に含まれる仕事の選び方をしてしまうと、高確率で失敗しますのでご注意ください!

ちなみに私のやってた「年収」「業界」で仕事を選ぶやり方、失敗6選の中にガッツリ含まれてましたw(無念)

以下、失敗6選の「根拠」をまとめたので、読んでって下さい!
①好きを仕事にする

好きを仕事にしても「幸福度」は上がらないし「スキル」は伸びない
幸福度は上がらない
多くの職業研究によると、自分の好きなことを仕事にしようが・しまいが最終的な幸福度は変わないことが解っています。
2015年ミシガン州立大学が適合派と成長派それぞれのタイプの方に対し「好きなことを仕事にするのは本当に幸せか?」というテーマで行った調査結果が以下です。
■調査対象 適合派:「好きなことを仕事にするのが幸せだ」と考えるタイプ 成長派:「仕事は続けるうちに好きになるものだ」と考えるタイプ ■結果 長いスパンで見た場合、幸福度・年収・キャリアなどのレベルは『成長派』の方が高かった。
適合派のように「好きを仕事にしても幸せにはならない」という結果を受けてどう思いますか?意外に思いませんでしたか?
好きを仕事にしてしまうと理想と現実のギャップに苦しむ人が多いそうです。そして好きを求める気持ちが強いほどギャップも大きくなる傾向があります。
例えばですが、いかに好きな仕事に就けたとしても、現実には対人トラブル等の大量の面倒が起こります。
理想が高い人ほど「面倒」に嫌気がさしてモチベーションが下がったり、短期間で辞めてしまったりする人が多いみたいです。

好きを仕事にする際の注意ポイントは以下の記事も参考にしてみてください!
スキルは伸びない
逆に「仕事は続けているうちに好きになるものだ」と考える成長派の人は、割り切って仕事をしている分長続きする人が多く、スキルのある人・優秀な人が多いという調査結果でした。
長く働いていると仕事に対する「情熱」も生まれてきます。情熱が生まれると仕事に対するモチベーションも高く維持できるため、どんどんスキルアップするという好循環が生まれます。
仕事に対する「情熱」は、どれだけその仕事が「好きか」ではなく、どれだけその仕事に「時間をかけたか」「コミットしたか」で決まります。
つまり、自分にとっての適職(天職)は最初からその辺に転がってはおらず、努力でコミットして掴みにいかないと手に入りません。
逆に言うと、どんな仕事でも取り組み方次第で自分にとっての適職(天職)になり得るということです。

そう考えると、ちょっと気持ちが楽になりませんか?
②給料の多さで選ぶ

お金で買える幸せには「限界」がある
今の給料に不満があり、給料アップを目的に転職活動をやっている人は結構いるのではないでしょうか?

私もそのうちの一人です
様々な研究で、給料の多さ⇔幸福度や仕事の満足度は関係が薄いことが明らかになっています。
「給料が上がっても幸せになれませんよ?」と言われてもなお、給料アップを目的に転職活動したいと思いますか?
給料UPでは幸福度は上がらない

上の図は世帯年収毎に生活の満足度を10点満点で評価した結果をグラフであらわしたものです。
- 年収300~500万円:5.68点
- 年収700~1,000万円:6.24点
例えば、年収500万円から1000万円に上がったとしても、生活の満足度は1.1倍(5.68⇒6.24点)程度にしかなりません。
つまり、年収が”倍”になったからと言って生活の満足度は”倍”にはならないということです。
しかも、年収UPによりわずかに幸福度が上がったとしても、幸福度が上がった状態は「約1年」しか続かないという研究もあります。

それでも年収UPを目的にしますか?
給料UPより手軽に幸福度上げる方法
「お金から得られる幸福」と「その他ライフイベントから得られる幸福」のレベルを比べる研究が過去から行われており、2つの事例を紹介します
■仲が良いパートナーとの結婚から得られる幸福度の上昇率は、年収UPから得られる幸福度より7.67倍も大きい。 ※年収400⇒800万円を想定 ■健康レベルが「普通」から「ちょっと体調がいい」に改善した時の幸福度の上昇は、年収UPから得られる幸福度寄り65倍も大きい。 ※年収400⇒2,000万円を想定
この結果から、結婚や健康で得られる幸福度が非常に大きいということがわかります。
逆に言うと、年収UPで得られる幸福度なんて微々たるものということも言えるのかもしれません。

年収を上げるために「体を壊しながら」「家族との時間を犠牲にしながら」頑張るなんて人生損してるということですね。
③業界や職種で選ぶ

・将来有望な業界・職種なんて誰にも分からない。
・今の自分の業界・職種に関する興味も10年後には変わっているかもしれない。
将来有望な業界は予測できない
昔のアメリカ議定は定期的に20年の予測を立てており、未来の経済や政治の状況をつかむためにただない税金を投入していました。
当時の専門家が予測したアメリカの経済状況は以下のとおりです。
■1980年ごろアメリカは世界市場で最大の債権国であり、誰もがその状態が続くと考えていた。 ■1990年代、アメリカは史上最大の債務国に変化。ほとんどの人はインターネットの存在を知らず、物質経済の成長がそのまま続くと予測されていた。
アメリカは今や世界最大の貿易黒字国であり、IT技術では世界をけん引する存在なので、どちらも予測も外れているわけです。
つまり、将来の経済状況なんてどんなに有能な専門家でも、ジャーナリストでも、アナリストでも分からないということです。

「今伸びてるからIT業界へ!」という勢い任せの単純な考えは危険ということです。
自分の興味の変化すら予測できない
専門家の未来予測が当てにならないように、自分で予測する将来もまた当てにはなりません。
ハーバード大学で行われた大規模な調査結果は以下のとおりです。
■調査内容 18歳~68歳までの男女19,000人に対し、興味の変化の傾向を調査。 ■調査結果 18歳~68歳ほぼすべての被験者が、10年の間で自分の身に起こる変化を過小評価していることが分かった。
例えば、18歳の時に「将来は喫茶店をやりたい」と考えていたとしても、28歳まで同じ希望を保ち続けているかどうかは予測できません。
大半の人は「現在の価値観や好みがずっと続く」と思い込んでいますが、間違いなく10年後は変化しています。
いま、特定の業種・職種を好んで選んだとしても、数年後には後悔している可能性は十分にあります。

現在の興味だけで仕事を選ぶのは危ないということですね。
④仕事の楽さで選ぶ

「適度なストレス」がないと幸福度は下がる。
誰でもハードすぎる仕事は嫌なので、できるだけ負荷の少ない仕事を選びたくなるのは分かります。
仕事からの過剰なストレスは脳卒中は心筋梗塞にかかりやすく、早死にのリスクも高くなってしまいます。

だからといって、仕事の「楽さ」だけで選んでしまうのはナンセンスです。
楽な仕事は死亡率を2倍に高める
過剰なストレスは体に害を及ぼしますが「楽すぎる仕事」もまた幸福度を大きく下げてしまいます。
過去に行われた仕事のストレスと健康に関する研究結果を紹介します。
■会社内で高いポジションに就いているエグゼクティブは周囲の部下より明らかに仕事量は多いが、健康で幸福度も高い。 ■組織内で地位の最も低い人は、ランクが高くより重大な仕事を行う人に比べて死亡率が2倍も高い。
ハードワークで体を壊す人がいる一方で、大量の仕事をこなすことで幸せになれる人もいるということです。

仕事が忙しかった日の方が「清々しい」経験ありませんか?
適度なストレスが幸福度を高める
アメリカ軍事戦略のリサーチを行うランド研究所は、過去に出た大量のストレス研究をレビューしたうえで「適度なストレス」がもたらすメリットを3つ挙げています。
- 仕事の満足度を高める
- 会社へのコミットメントの改善
- 離職率を低下させる
上記のように、適度なストレスは仕事の満足度を上げて幸福度を高める効果があることが分かっています。
この現象を可視化したのが以下の図です。

■あまりに自分の能力「スキル」を超えた「難易度」の仕事は不安につながり健康を損ないます。 ■なんな不可もない仕事は退屈間を生み、幸福度は低下します。

あなたは上のグラフで今どこに位置しますか?
⑤性格テストで選ぶ

性格診断によって適職が見つかる保証はどこにもない。
就活サイトにアクセスすると以下のような質問が並ぶのを見たことありませんか?
- 何事もきちんとしていたいほうですか?
- 人に何かをリスクエストするのは苦手ですか?
これは理論に基づく性格診断の一種で、自分に合った仕事が分からずに悩む人が適職を探すためのサービスです。
日本でよく適用されているサービスは「エニアグラム」「マイヤーズ・ブリッグス」の二種類がありそれぞれ紹介します。
エニアグラムは占いと一緒

エニアグラムは所定の質問に答えることで、上の画像のように9つのタイプに分類する性格診断です。
エニアグラムの問題点は、結果をいかようにも解釈できてしまう点です。例えば以下のタイプを比較してみます。
- 堅実家:安全を求めて孤独を嫌う
- 調停者:安定を好んで葛藤を嫌う
「安全」と「安定」はかなりのところまで似通った概念であり、両者をはっきりと区別することはできません。
人の解釈によりどちらでも取れる、つまりはタロット占いと変わらないという訳です。

タロット占いに自分の将来を委ねられますか?
マイヤーズ・ブリッグス信頼性に難

マイヤーズ・ブリッグス(MBTI)は人間のパーソナリティを直感、思考、感情などの指標でとらえ、上の画像のように16のタイプに性格を分類するテストです。
マイヤーズ・ブリッグスは世界でも1・2を争う人気の性格診断手法である一方で、30年にわたって批判を浴び続けてきた手法です。
マイヤーズ・ブリッグスの最も大きな問題は、テストを受けるたびに違う結果が出てしまう点です。
被験者のうちおよそ半分が、5週間後のテストではまったく別のパーソナリティに分類される結果が出ています。
つまりは再現性のない使えないテストということです。(辛口すみません)

自己分析の一つの手法として使うのはアリですが、全面的に信頼するのは危険そうです。
⑥直感で選ぶ

仕事選びは「直感」ではなく、「合理的」に考えて選んだ方が上手くいく。
自分の「好み」や「給料の多さ」などを当てにしてはいけないなら、いっそのこと「直感で選んだ方が楽だ!」と考える人もいるかもですね。(最後は「えいや!」と勢いで)
スティーブ・ジョブズも過去に「何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです」と述べています。
ですが仕事選びで自分の直感を信じすぎるのは非常に危険です。

人生の重要な選択を「直感」に任せるのはリスキーです。
直感が働くための3条件
①ルールが厳格に決まっている ②何度も練習するチャンスがある ③フィードバックがすぐ得られる
「将棋、囲碁、チェス」などは直感が働きやすい典型的な例です。
①ルールは厳格に決まってますし、②プレイヤーは過去の差し手をいくらでも復習できますし、③プレ内容に対するフィードバックもすぐに得られるからです。
一方で「仕事選び」はこの3条件に全く当てはまりません。
①適職選びに正解のルールはなく、②どんな会社に入るのも一発勝負で、③選んだ会社が正解かどうか分かるまでには最低でも数か月はかかるからです。

そもそも直感で仕事選んだ人にあまり出会ったことがない、、w
合理的に考えた方が人生上手くいく
2014年にボーリング・グリーン州立大学が行った研究を紹介します。
274人の学生を意思決定スタイルで5つに分類したうえで、過去に行った「選択」により良い成果を得られたかどうかを比較しました。
①合理的:論理的に考えて選択する ②直感的:直感や感覚で決定する ③依存的:他社のアドバイスをもとに決定する ④回避的:決定を引き延ばそうとする ⑤自発的:できるだけ早く決定を終わらせようとする
結果は「合理的」な意思決定スタイルの圧勝でした。
どんな場面においても、論理的にものごとを考えるタイプの学生が最も大きな成果を収めていました。
直感的スタイルを持っている学生は、自分では「私の選択は正しかった」と答えた割に、友人や家族からの評価が低い傾向がありました。

直感派の人は「自己正当化」しようとする傾向があるみたいです。
まとめ

内容いかがでしたでしょうか?「失敗6選」のおさらいのため、各項目のポイントを整理しました。
あれもダメ、これもダメ「じゃあどうやって仕事選びすればいいの!?」と思った方おられましたら、今回参考にした以下の著書を読むことをおススメします。
仕事選びで考えるべき「評価軸:7選」を学ぶことができます。これを学んで論理的に自分にとっての適職を選びましょう!
ではまた!
コメント